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点群処理ソフトウェアの選び方:主要ソフトの比較と特徴 

点群処理ソフトウェアの選び方:主要ソフトの比較と特徴

 

点群処理ソフトウェアの選び方:主要ソフトの比較と特徴

点群処理ソフトウェアの選び方:主要ソフトの比較と特徴について説明します。

 

 

点群処理ソフトウェアとは

点群処理ソフトウェアは、3DレーザースキャナやLiDARなどで取得した点群データを解析し、3Dモデルを生成するためのツールです。これらのソフトウェアは、建設業や土木工事、測量、建築設計など、さまざまな分野で利用されています。

点群処理ソフトウェアは、現場で収集した大量の点群データを効率的に解析し、3Dモデルや図面を生成するために欠かせないツールです。建築や土木、測量などの分野で広く使用されており、作業効率を大幅に向上させます。

このソフトウェアは、データの自動処理機能や直感的な操作インターフェースを備えているため、専門知識がなくても簡単に使用できます。また、点群データをCADデータやBIMデータに変換する機能もあり、設計や施工の現場での活用が進んでいます。

さらに、点群処理ソフトウェアは、建設現場の状況を正確に把握するためのツールとしても重要です。これにより、施工の計画や進捗管理が効率的に行われ、コスト削減や品質向上につながります。

 

点群処理ソフトウェアの選び方

点群処理ソフトウェアの選び方について説明します。使用目的や操作のしやすさ、データ互換性とフォーマットが重要なポイントです。

 

① 使用目的に応じたソフト選び

使用目的やプロジェクトの規模に応じて、適切な点群処理ソフトウェアを選ぶことが重要です。詳細な3Dモデルを必要とする建築設計には高機能なソフトウェアが求められますが、基本的な測量には簡便なソフトウェアで十分です。

たとえば、建築設計や土木工事の大規模プロジェクトには、詳細な3Dモデルや精密な測量データが必要です。この場合、Leica CycloneやAutodesk Civil 3Dのような高機能なソフトウェアが適しています。一方、小規模な測量や基本的なデータ処理には、CloudCompareのようなシンプルなソフトウェアが便利です。

また、使用する機器との互換性も考慮すべきです。特定のレーザースキャナやLiDARシステムに対応したソフトウェアを選ぶことで、データの処理がスムーズに行えます。たとえば、Leica製のスキャナを使用している場合は、Leica Cycloneが最適です。

さらに、ソフトウェアのコストも選定の重要な要素です。高機能なソフトウェアは高価ですが、その分、機能やサポートが充実しています。一方、オープンソースのソフトウェアは無料で利用できますが、サポートが限定されている場合があります。

 

② 操作のしやすさ

ソフトウェアの操作性も選定の重要な要素です。直感的なインターフェースを持つソフトウェアは、作業効率を大幅に向上させることができます。

操作が簡単なソフトウェアは、誰でも短時間で使いこなせるため、トレーニングの時間やコストを削減できます。例えば、Metashape Professionalは、ユーザーフレンドリーなインターフェースと自動処理機能を備えており、初心者でも簡単に操作できます。

また、よく使う機能やツールがすぐにアクセスできるように配置されていることも重要です。TREND-POINTやInfiPointsは、よく使うツールや設定が見やすく配置されており、効率的に作業を進めることができます。

さらに、ソフトウェアの操作ガイドやチュートリアルが充実していることも選定のポイントです。Leica CycloneやAutodesk Civil 3Dは、詳細なマニュアルやオンラインチュートリアルが提供されており、ユーザーがスムーズに操作を習得できます。

 

③ データ互換性とフォーマット

点群データの互換性も考慮すべき点です。異なるソフトウェア間でデータを共有する場合、対応フォーマットの範囲が広いソフトウェアを選ぶと、データのやり取りがスムーズになります。

たとえば、Metashape ProfessionalやCloudCompareは、多くのデータフォーマットに対応しており、さまざまな機器で取得した点群データを扱うことができます。これにより、異なるプロジェクト間でのデータ共有や統合が容易になります。

さらに、データのエクスポート機能も重要です。Autodesk Civil 3DやTREND-POINTは、CADデータやBIMデータへのエクスポート機能を備えており、設計や施工の現場での活用が進めやすくなっています。

また、データの変換や統合機能も考慮する必要があります。InfiPointsは、点群データを自動的に処理し、BIM/CADモデルに変換する機能を備えており、効率的なデータ管理が可能です。

 

 

Leica Cyclone

Leica Cycloneは、高精度な点群データの処理に定評があるソフトウェアです。

 

① 高精度な点群処理

Leica Cycloneは、高精度な点群データの処理に優れており、詳細な3Dモデルや図面を生成するために利用されています。現場でのデータ収集から解析まで一貫して行うことができ、精度の高い成果物を提供します。

このソフトウェアは、自動特徴抽出や幾何学的情報抽出の機能を備えており、複雑な構造物や地形の詳細なモデルを簡単に作成できます。特に、建築や土木の現場での精密な測量や設計に適しています。

また、Leica Cycloneは、様々なデータ形式に対応しており、他のソフトウェアとのデータ互換性も高いです。これにより、異なるプロジェクトやチーム間でのデータ共有がスムーズに行えます。

 

② 幾何学的情報抽出

Leica Cycloneは、幾何学的情報の抽出にも優れており、点群データから自動的に重要な特徴を検出することができます。この機能により、複雑な構造物や地形の詳細な解析が可能になります。

例えば、建物の壁や床、道路の表面などの幾何学的な特徴を正確に抽出し、3Dモデルとして可視化することができます。これにより、設計や施工の計画が効率的に進められます。

さらに、Leica Cycloneは、等高線の作成や地形解析の機能も備えており、地形の変化や傾斜を正確に把握することができます。これにより、土木工事や地形調査の現場での作業がスムーズに行えます。

 

③ 幅広い用途

Leica Cycloneは、建築・土木分野で幅広く活用されています。特に、高精度な3Dモデルや図面の作成が求められるプロジェクトに適しています。

このソフトウェアは、現場でのデータ収集から解析、モデル作成まで一貫して行うことができるため、作業の効率化が図れます。また、複雑な構造物や地形の詳細な解析が可能であり、設計や施工の精度向上に貢献します。

さらに、Leica Cycloneは、他のソフトウェアや機器との連携もスムーズに行えるため、さまざまなプロジェクトやチームでの活用が進んでいます。

 

 

TREND-POINT

TREND-POINTは、土木分野に特化した点群処理ソフトウェアです。

 

① 土木分野特化

TREND-POINTは、特に土木分野に焦点を当てた点群処理ソフトウェアであり、道路や橋梁、ダムなどのインフラプロジェクトに最適です。現況地物の把握や土量計算など、土木工事において必要な機能が充実しています。

たとえば、道路設計においては、現況の地形データをもとに道路の線形や法面形状を3DCADデータとして作成できます。この機能により、設計段階での精度が向上し、施工時のトラブルを未然に防ぐことが可能です。

また、TREND-POINTは、国土交通省のi-Construction出来形管理要領に対応しており、出来形点群と設計データの差異をヒートマップで表示したり、帳票を出力したりすることができます。これにより、品質管理が容易になり、施工の効率が向上します。

TREND-POINTは、土量計算が得意なソフトウェアです。土量計算は、土木工事において重要な作業の一つであり、正確な計算が求められます。このソフトウェアは、点群データから掘削や盛り土の体積を正確に算出できます。

たとえば、道路工事では、設計通りの土量を確保するために正確な土量計算が必要です。TREND-POINTは、点群データをもとに土量を自動的に計算し、施工計画をサポートします。

さらに、等高線の作成や縦横断面の解析も可能であり、これにより、地形の変化や工事の進捗をリアルタイムで把握することができます。これにより、プロジェクトの進行管理が効率的に行えます。

 

③ 国土交通省対応

TREND-POINTは、国土交通省のi-Construction出来形管理要領に対応しており、公共工事においても安心して使用できます。この対応により、出来形点群と設計データの差異を規格値に基づいて表示することが可能です。

たとえば、出来形管理要領に基づいて点群データを解析し、ヒートマップで差異を視覚化することで、施工の精度を確認できます。また、帳票の出力機能もあり、施工記録の作成が容易になります。

この機能により、施工管理が効率化され、品質の高い工事が実現できます。TREND-POINTは、土木工事の現場での信頼性と効率性を高めるために不可欠なツールです。

 

 

Metashape Professional

Metashape Professionalは、SfM/MVS技術を用いて写真から点群を生成するソフトウェアです。

 

① SfM/MVS技術

Metashape Professionalは、Structure from Motion (SfM) とMulti-View Stereo (MVS) の技術を利用して、複数の写真から3D点群データを生成します。この技術により、現場でのデータ収集が簡単になり、高精度な3Dモデルを作成できます。

たとえば、ドローンを使って撮影した空中写真から、建物や地形の詳細な3Dモデルを生成することができます。このモデルは、設計や解析に利用でき、プロジェクトの効率を大幅に向上させます。

さらに、Metashape Professionalは、自動的に写真を解析し、点群データを生成するため、手動での作業がほとんど不要です。これにより、データ処理の時間とコストが削減されます。

 

② 高精度オルソ画像

Metashape Professionalは、高精度なオルソ画像を生成することができます。オルソ画像は、地形や建物の正確な平面図を提供し、設計や計画に役立ちます。

たとえば、都市計画や環境調査において、オルソ画像を利用して土地の利用状況や植生の変化を詳細に分析できます。これにより、より正確なデータに基づいた意思決定が可能になります。

また、Metashape Professionalは、多様なフォーマットに対応しており、他のソフトウェアとの互換性も高いです。これにより、異なるプロジェクト間でのデータ共有がスムーズに行えます。

 

③ データ結合

Metashape Professionalは、地上レーザデータと航空LiDARデータの結合が可能です。これにより、異なる視点から取得したデータを統合し、より詳細で正確な3Dモデルを作成できます。

たとえば、地上から取得した建物の詳細な点群データと、空中から取得した地形データを組み合わせることで、建物とその周辺環境の統合モデルを作成できます。この統合モデルは、設計や施工計画において非常に有用です。

さらに、データの結合は自動的に行われるため、手間がかからず、効率的に高精度なモデルを生成できます。これにより、プロジェクトの品質と効率が向上します。

 

 

Autodesk Civil 3D

Autodesk Civil 3Dは、BIM対応のソフトウェアで、点群データからCADデータへの変換がスムーズです。

 

① BIM対応

Autodesk Civil 3Dは、Building Information Modeling (BIM) に対応しており、建築や土木プロジェクトにおいて、設計から施工までの一貫したデータ管理をサポートします。このソフトウェアは、点群データをCADデータやBIMデータに変換する機能を備えています。

たとえば、建物の設計において、点群データをもとに詳細な3Dモデルを作成し、それをBIMデータとして活用することができます。これにより、設計の精度が向上し、施工時のトラブルを減少させることが可能です。

また、BIMデータを利用することで、プロジェクト全体の効率が向上し、コスト削減や品質向上が図れます。Autodesk Civil 3Dは、BIMプロジェクトの成功に不可欠なツールです。

 

② CADデータ変換

Autodesk Civil 3Dは、点群データをCADデータに変換する機能も優れています。これにより、点群データから平面図や断面図を簡単に作成することができます。

たとえば、道路設計において、点群データをもとに道路の断面図を作成し、詳細な設計図を生成することができます。この機能により、設計の精度が向上し、施工の効率が高まります。

さらに、Autodesk Civil 3Dは、AutoCADとの連携が強みであり、既存のCADデータを活用しながら、新たな点群データを追加して設計を進めることができます。これにより、データの一貫性が保たれ、作業の効率が向上します。

 

③ AutoCAD連携

Autodesk Civil 3Dは、AutoCADとの連携が非常に強力であり、既存のCADデータをスムーズに活用することができます。これにより、設計プロセスが効率化され、精度の高い成果物を提供することが可能です。

たとえば、既存のAutoCADデータを利用して、新たに取得した点群データを追加し、詳細な設計を行うことができます。この機能により、設計の一貫性が保たれ、施工時のトラブルを未然に防ぐことができます。

また、AutoCADとの互換性が高いため、他のチームやプロジェクト間でのデータ共有が容易です。これにより、プロジェクト全体の効率が向上し、品質の高い成果物が提供されます。

 

 

CloudCompare

CloudCompareは、オープンソースの点群処理ソフトウェアです。

 

① オープンソース

CloudCompareは、オープンソースの点群処理ソフトウェアで、無料で利用できます。オープンソースであるため、誰でもダウンロードして使用することができ、カスタマイズや拡張も可能です。これにより、予算に限りがあるプロジェクトや教育機関での利用に最適です。

また、ユーザーコミュニティが活発であり、オンラインフォーラムやチュートリアルが充実しています。このコミュニティの支援により、初心者でも簡単に操作を習得できます。CloudCompareは、誰でもアクセス可能で、広く利用されています。

 

② 基本操作

CloudCompareは、基本的な点群処理機能を備えており、領域の切り抜きやポイントサイズの変更などが可能です。これにより、必要な部分だけを抽出して詳細に解析することができます。

例えば、特定の建物や地形の部分を切り抜いて詳細に解析する場合、CloudCompareの切り抜き機能を利用することで、不要な部分を除外して効率的に作業を進めることができます。この機能は、データの精度を高めるために非常に有用です。

さらに、ポイントサイズの変更機能もあり、点群の各点のサイズを調整して視覚的に分かりやすくすることができます。これにより、データの解析が容易になります。

 

③ 無料利用

CloudCompareは、無料で利用できる点が大きな魅力です。これにより、小規模プロジェクトや教育目的での利用に最適であり、予算を気にせずに高機能な点群処理を行うことができます。

例えば、大学の研究プロジェクトや小規模な建築設計事務所で、予算が限られている場合でも、CloudCompareを利用することで、質の高い点群データ解析が可能です。無料でありながら高機能なCloudCompareは、多くのユーザーに支持されています。

 

 

InfiPoints

InfiPointsは、点群データからBIM/CADモデルを効率的に生成するソフトウェアです。

 

① 自動処理機能

InfiPointsは、自動処理機能を備えており、点群データの解析を迅速かつ正確に行うことができます。自動的にデータを処理し、BIM/CADモデルを生成するため、手動の作業が大幅に削減されます。

例えば、建物の現場調査を行った際に取得した点群データを、InfiPointsを使用して自動的に解析し、詳細なBIMモデルを作成することができます。この機能により、設計や施工の効率が大幅に向上します。

また、InfiPointsは、データのノイズ除去や補正も自動的に行うため、精度の高いモデルを生成することが可能です。これにより、プロジェクトの品質が向上します。

 

② 現場調査効率化

InfiPointsは、現場調査の効率化に大いに貢献します。3Dスキャンデータを活用して、従来の手作業による調査に比べて、迅速かつ正確にデータを収集することができます。

例えば、大規模な建設プロジェクトでは、現場調査に多くの時間と労力がかかりますが、InfiPointsを使用することで、その時間を大幅に短縮することができます。これにより、プロジェクトのスケジュール管理が容易になり、全体の効率が向上します。

さらに、InfiPointsは、取得したデータを即座に解析し、現場でのフィードバックを提供することができるため、リアルタイムでの対応が可能です。これにより、現場での意思決定が迅速に行われます。

 

③ 高品質サービス

InfiPointsは、高品質なサービスを提供するためのツールとして非常に有用です。点群データから生成されたBIM/CADモデルは、設計や施工の精度を高めるだけでなく、顧客への説明やプレゼンテーションにも役立ちます。

例えば、建築プロジェクトでは、詳細な3Dモデルを使用して顧客に設計案を説明することで、理解を深めてもらうことができます。これにより、顧客の満足度が向上し、プロジェクトの成功につながります。

また、InfiPointsは、様々なデータ形式に対応しており、他のソフトウェアとの互換性も高いため、幅広いプロジェクトで利用することができます。これにより、データの一貫性が保たれ、作業の効率が向上します。

 

 

まとめ

点群処理ソフトウェアの選定は、使用目的、操作性、データ互換性を考慮することが重要です。各ソフトウェアの特徴を理解し、プロジェクトの要件に最適なものを選ぶことで、作業効率と成果物の品質を向上させることができます。

 

 

参考リンク

点群処理のための究極のPC選び:ソフトウェアとハードウェア要件解説

土量計算.com™

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