ビジネス成長のカギ: 助成金を活用した雇用戦略 １
ビジネス成長のカギ: 助成金を活用した雇用戦略 １
助成金活用による雇用戦略：中小企業の新たな可能性
① 補助金と助成金の違い
補助金は主に事業拡大や新規事業創出を支援するための制度です。これに対し、助成金は雇用の安定や労働環境の改善を目的としています。
補助金は政策を推進するために提供され、返済不要の資金として機能します。 一方、助成金は雇用保険の保険料などを財源とし、雇用保険の適用事業者のみが対象となります。また、助成金は審査に落ちることが少なく、条件を満たせば受給が可能です。
② 中小企業に適した制度の特徴
助成金の申請は随時行われ、条件を満たせばほぼ確実に支給されるため、事業の安定性を高めるのに役立ちます。助成金の支給額は数十万円から100万円程度で、労働環境の整備や従業員のスキルアップに利用できます。
また、助成金は主に雇用や能力開発のために支給され、その対象となる諸経費の範囲は比較的狭いですが、中小企業にとっては非常に有用です。例えば、ドローン操作の研修費用や従業員のスキル向上に関連する費用に助成金を活用することができます。
雇用安定化への道：助成金の活用法
助成金の活用は、特に中小企業にとって雇用の安定化に寄与します。
労働時間の短縮や年次有給休暇の促進などに取り組む中小企業事業主に向けた「働き方改革推進支援助成金」。この助成金は、長時間労働の見直しや働く時間の縮減に取り組む中小企業事業主を支援するものです。
非正規雇用労働者の処遇改善には、「キャリアアップ助成金」が適用されます。これは、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者などの正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して支給される助成金です。
2023年9月には、岸田首相が「社会保険適用時処遇改善コース」の新設を発表しました。このコースは、短時間労働者が新たに被用者保険の適用となる際に、労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対して、一定期間助成を行うものです。
人材開発支援助成金の支給条件
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 人材育成制度を新たに導入し、被保険者に適用した事業主であること
- 事業内職業能力開発計画を作成し、労働者への周知が行われていること
- 職業能力開発推進者を選任していること
人材育成に関する補助金・助成金の活用方法
1. 人材開発支援助成金
- 内容: 従業員のスキルアップや人材育成に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
- 助成額: 中小企業は訓練経費の75%、賃金助成は1人1時間当たり960円。大企業は60%、480円です。
- コース例:
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業能力開発コース
2. 企業内人材育成推進助成金
- 内容: 職業能力評価やキャリア・コンサルティングなどの人材育成制度を導入・実施し、継続して人材育成に取り組む事業主に対して支給されます。
- 助成額: 教育訓練・職業能力評価制度では50万円（中小企業）、25万円（中小企業以外）の制度導入助成があります。実施・育成助成は1人あたり5万円（中小企業）、2.5万円（中小企業以外）で、最大10人までです。
3. その他の助成金
- 特定訓練コースでは、訓練時間に応じて15万円〜50万円の経費助成があります。賃金助成は1人1時間当たり760円です。
- 教育訓練休暇付与コースでは、制度導入・実施助成が最大36万円、長期教育訓練休暇制度の場合は賃金助成が最大7,200円、経費助成が最大24万円です。
次の記事へ
建設現場の職長の役割と責任を理解する １ »
