コラム


非GPS環境対応!次世代ドローンの飛行テクノロジー 1

非GPS環境対応!次世代ドローンの飛行テクノロジー 1

 

非GPS環境対応!次世代ドローンの飛行テクノロジー

 

非GPS環境でドローンを飛ばすにはどうすればいいのか

① 非GPS環境とは

GPS(Global Positioning System)の信号が届かないか、届いても弱いか、不正確な場所のことです。GPSは人工衛星から発信される電波を受信して、地球上の位置を特定するシステムですが、電波は建物や山などの障害物によって遮られたり、反射したり、干渉されたりすることがあります。そのため、橋梁の下や屋内などのGPSの電波が届きにくい場所や、都市部や軍事施設などのGPSの電波が混線しやすい場所は非GPS環境と言えます。非GPS環境では、ドローンが自分の位置を正確に把握できないため、飛行制御が困難になります。

 

② 位置の測定方法

非GPS環境でドローンの位置を測定する方法としては、主に以下の3つがあります。

 

  • 慣性航法システム(INS):ドローンに搭載された加速度計やジャイロスコープなどのセンサーで、ドローンの加速度や角速度を測定し、初期位置からの移動距離や方向を算出する方法です。この方法は、GPSの信号がまったくない場合でも使用できますが、センサーの誤差が積み重なると、位置の精度が低下します。

 

  • ビジュアルオドメトリ(VO):ドローンに搭載されたカメラやレーザーなどのセンサーで、周囲の景色や物体を認識し、自己位置を推定する方法です。この方法は、GPSの信号が弱い場合や、周囲に特徴的な物体がある場合に有効ですが、照明や天候の変化に影響されやすく、センサーの消費電力が大きいという欠点があります。

 

  • SLAM(Simultaneous Localization and Mapping):ドローンに搭載されたカメラやレーザーなどのセンサーで、周囲の景色や物体を認識しながら、地図を作成し、自己位置を推定する方法です。この方法は、GPSの信号がない場合や、周囲の環境が未知の場合に有効ですが、計算量が多く、高性能なコンピュータが必要です。

 

③ 飛行ルートの設定方法

非GPS環境でドローンの飛行ルートを設定する方法としては、主に以下の2つがあります。

 

  • 事前に地図を作成しておく方法:非GPS環境でドローンが飛行する場所の地図を、別のドローンや人間が事前に作成しておき、その地図に基づいてドローンの飛行ルートを決める方法です。この方法は、飛行ルートが固定されている場合や、地図作成が可能な場合に有効ですが、地図作成に時間やコストがかかるという欠点があります。

 

  • リアルタイムに地図を作成しながら飛行する方法:非GPS環境でドローンが飛行する場所の地図を、ドローンがリアルタイムに作成しながら、最適な飛行ルートを決める方法です。この方法は、飛行ルートが変動する場合や、地図作成が困難な場合に有効ですが、SLAMなどの高度な技術が必要であるという欠点があります。

 

④ 飛行安全性の確保方法

飛行安全性を確保する方法としては、主に以下の3つがあります。

 

  • 障害物回避システムの搭載:ドローンにカメラやレーザーなどのセンサーを搭載し、周囲の障害物を検知し、自動的に回避するシステムです。このシステムは、非GPS環境でドローンが壁や柱などに衝突するリスクを低減することができますが、障害物の種類や形状によっては検知できない場合もあります。

 

  • 通信システムの強化:ドローンと操作者との間の通信システムを強化し、非GPS環境でも安定した信号を確保する方法です。この方法は、非GPS環境でドローンが通信途絶や遅延による制御不能に陥るリスクを低減することができますが、通信システムのコストや消費電力が増加するという欠点があります。

 

  • 緊急時の対処プランの策定:非GPS環境でドローンが故障や事故に遭遇した場合の対処プランを策定し、事前にドローンにプログラムする方法です。この方法は、非GPS環境でドローンが緊急時に自動的に着陸や帰還などの行動をとることができますが、予期せぬ状況に対応できない場合もあります。
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